埼玉新座市・清瀬市の動物病院〜かんの動物病院〜
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「肥満細胞腫」とは? 参考:よみうりペット
1:症状・・・皮膚腫瘍なら「しこり」や「腫れ」、内臓なら「下痢」や「食欲不振」
2:治療・・・老化などに伴う細胞の腫瘍化
3:原因とメカニズム・・・生命力の強いウイルスが感染猫の排せつ物などを通じて、経口感染する
4:予防・・・少なくとも年に二、三回の健康診断を
1:症状・・・皮膚腫瘍なら「しこり」や「腫れ」、内臓なら「下痢」や「食欲不振」
 愛犬をなでていて、体表のどこかに「しこり」や「腫れ」のようなものに触れる時があります。そんな時、「オデキか虫刺されか」とあまり軽く考えず、「もしかしたら、肥満細胞腫かも」と疑って、動物病院でよく調べてもらったほうが良いかもしれません。
 犬の腫瘍のなかで、乳腺腫瘍に次いで多いのが皮膚腫瘍であり、その皮膚腫瘍のなかで最も多いのが「肥満細胞腫」です。症状は様々で、皮膚のどこかにしこりができ、そこから出血したり、蚊に刺された跡みたいに皮膚の一部が赤く腫れていたり、あるいは外見上、ほとんど判別できなかったりします。また、内臓など、体内の肥満細胞が腫瘍化すれば、嘔吐や下痢、食欲不振が続いたりすることもあります。
 「肥満細胞」とは、皮膚(真皮)の血管や筋肉の周辺、内臓の周辺を始め、体のあらゆる組織に散在している細胞です。この細胞は、虫刺されや花粉など、外部から動物の身体に侵入する「異物」を感知すると、ヒスタミンやヘパリンなどの生理活性物質を放出。患部に炎症を起こして免疫機能を高め、その異物を退治したり、鼻水を流させて体外に押し出したりして、動物の体を守る重要な働きをしています。
 その肥満細胞が腫瘍化したのが肥満細胞腫で、高齢期の犬や猫に目立つ病気です(この細胞は当然、人にもありますが、腫瘍化することはほとんどありません)。脾臓や腸管などに大きな腫瘍ができれば、ヒスタミンがたくさん放出されて胃潰瘍になったり、出血によって貧血状態になることもあります。とにかく、肥満細胞腫は悪性度が高く、もし性質が悪いものなら、体のあちこちに転移して助からなくなってしまいます。
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2:治療・・・腫瘍の形態、症状に合わせて、外科手術、放射線療法の組み合わせや化学療法を選択
 肥満細胞腫が疑われる症状が発見されたら、組織検査や血液検査、レントゲン検査などによって、それが本当に肥満細胞腫かどうか、またどんな形態、タイプの腫瘍か、ほかに移転しないかどうか、などを詳しく診断することが大切です。メス犬の場合、乳腺腫瘍と見間違えられて外科手術をされると、腫瘍周辺の組織切除が不十分となり、再発するおそれもあります。
 腫瘍自体が小さく、「分化型」で皮膚(真皮)の特定部位だけに限局され(限られ)ていれば、外科手術で腫瘍の周辺を広く、深く(二センチほど)切除します。しかし、四肢や頭部などに腫瘍があれば、周辺組織を広く、深く切除することができないため、再発する可能性が高くなってしまいます。また、腫瘍の境界があいまいなら、外科手術だけでは対応できません。そんな場合、化学療法や、切除した腫瘍周辺の組織への放射線治療を併用します。なお、犬の場合、外科手術だけの治療では、治癒率は40%以下といわれています。
 もし、体のあちこちに同時多発的に発症したり、転移していたりすれば、外科手術も放射線治療もあまり役に立ちません。そんな場合は、抗がん剤とステロイド剤などを投与する化学療法が中心となります。繰り返すが、その場合、治癒する可能性は極めて低いのです。
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3:原因とメカニズム・・・老化などに伴う細胞の腫瘍化
 なぜ、肥満細胞が腫瘍化するのか。はっきりとした原因は不明です。
 ただし、高齢期の犬や猫に発症しやすいことから、老化して免疫機能が低下するにつれ、だんだん肥満細胞の腫瘍化を防ぐことができなくなってくると思われます。
 ついでに言えば、「炎症は腫瘍の始まり」という言葉もあります。体への刺激が頻繁で、肥満細胞がしばしばヒスタミンやヘパリンなどの物質を放出して、どこかの部位の皮膚がよく炎症状態になっていたりすれば、老化ともに細胞が腫瘍化しやすくなっても不思議ではありません。
 肥満細胞は、体のどの組織にも散在し、遊動性の高い細胞であるため、腫瘍の形状も様々で、腫瘍化すれば、増殖がとまらず、転移する確率(悪性度)も高くなります。例えば、「グレードT(※機種依存文字です)」と呼ばれる、特定部位に明確なしこりのような固まりができる(分化型)タイプは、悪性度が低いが、肛門や生殖器周辺に発症する腫瘍は悪性度が高いので要注意。一方、「グレードV(※)」と呼ばれる、顔つきが明らかに悪い肥満細胞腫が散在していて、腫瘍の範囲が分からないもの(未分化型)は、悪性度が極めて高い。その間に、「グレードU(※)」と呼ばれる、悪性と良性の中間の性質のもの(中間型)があるが、これも結局のところ悪性なのです。
 腫瘍が特定部位に固まっているれば治療しやすいが、そうでなければ、がん細胞が周辺に浸潤し、リンパ節から、骨髄、脾臓や腸管などに転移することも多く、また、あちこちの肥満細胞が同時多発的に腫瘍化する場合もあります。
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4:予防・・・少なくとも年に二、三回の健康診断を
 肥満細胞腫は原因が不明のため、確かな予防法はないありません。ただし、腫瘍が特定部位に限局していれば、治癒率が高いため、少なくとも年に二度、六、七歳以降の高齢期になれば、年に三度は動物病院で健康診断を受け、早期発見・早期治療を心がけることが大切です。
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